Study in Japan Global Network Project in ASEAN

日本の皆様へ

ミャンマーよもやまばなし

2021年01月19日

第10回 ヤンゴン留学体験記

吉開 匠岡山大学法学部 4年

 私は,ミャンマーのヤンゴン経済大学へ2018年の12月から翌年の10月まで留学していました。ミャンマーに留学したと言うと,いつも「どうしてミャンマーに?」と聞かれます。
 ミャンマーに行こうと思った理由はたくさんありますが,その中の二つをお話しします。私の家族は,父の仕事の都合でタイのバンコクで暮らしていて,私は現地で生まれました。4歳の時に帰国した(どちらかというと「日本に来た」という方が正しいでしょうか)ため,タイのことはほとんど覚えていないのですが,タイや東南アジアに対する一種の親しみが,私の心の中にずっとありました。また2017年にタイに訪れた際に両親の知り合いで,30年近く現地で仕事をしている日本人から「ミャンマー(の経済状況)は,20年前のタイによく似ている」という話を聞きました。それ以来,私が生まれたころのタイに似ているというミャンマーへの興味が一層強まりました。ただし注意しなければならないのは,20年前のタイとミャンマーの両国が似ているというのは,あくまで経済状況や町の様子であり,話されている言葉や文化はまったく異なるということです。


 私が生活をしていたのは,ヤンゴン経済大学の教職員が家族と住むための宿舎でした。フライン郡区というインヤー湖の北西に位置する静かな良いところです。大学のキャンパスは郊外にあり,宿舎からフェリー(ミャンマーでは通勤・通学に用いられる自動車を「フェリー」と呼びます)50分,路線バスを乗り継いでいくと1時間半ほどかかりました。フェリーは,毎朝7時15分に出発し,放課後には午後5時前に宿舎のまえに帰って来ます。


 大学の講義は,日本とは大きく異なります。日本では,どの講義を受けるかを選択し,履修登録を自分でしますが,ミャンマーの大学ではあらかじめ時間割が決まっています。このため,いつも同じ仲間と同じ教室で講義を受けていました。同じ仲間と毎日顔を合わせるので,すぐに仲良くなることができました。授業時間は50分一コマで,たいていは2コマ連続で行われていました。週に26コマあり,基本的には一日に5コマ,6コマある日は午前9時20分から午後3時20分まで授業がありました。教科書は,英語で書かれていますが,先生は,ビルマ語で説明します。専門用語の多くは英語のままでしたので,教科書に目を通しつつなんとか授業内容を理解することができました。毎日,大学の食堂で昼食を食べていましたが,友達と大学の外のお店に食べに行くことも多く,良い思い出がたくさんあります。ヤンゴン経済大学の授業とは別に,夕方にはヤンゴン外国語大学で週3-4日ビルマ語の授業を受けていました。非常に忙しく,それでいて充実した日々を送りました。


 ミャンマーの人は,誰もが優しく私が困っていると分かると,いつも助けてくださいました。停電・断水・渋滞・猛暑など生活上のトラブルには事欠かないヤンゴンでの生活でしたが,幸い一度を除いて(このことについてどこかでお話しさせてもらいたいです)病院のお世話になることはなく,健康で楽しい生活を送ることができました。およそミャンマーに限った話ではありませんが,「違いを楽しむ」ことができる人は,きっと多くのことをミャンマーで学び,楽しむことができると思います。たとえば停電は,ストレスに感じられるかもしれませんが,「まぁ,こんなこともあるよね」と蝋燭の明かりで本を読むのもなかなか味わい深いものです。「違い」に注目するだけでは,異文化の理解にはつながらず,「共通点」にも目を向ける必要があります。この場で,それらすべてを挙げることはできませんが,皆さんもミャンマーへ行ったら多くのことに気付くと思います。


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